中古マンション投資の売却(出口)リスク|売却費用と譲渡所得税を購入前に確認
投資用マンションは、売りたい時期に希望の価格で売れる保証がなく、買った額より安くなることもあります。
売れた場合も、仲介手数料などの費用と、売却益が出たときの譲渡所得税(所有期間5年の区分あり)がかかります。
将来の売却価格は予測せず、購入前に費用と税の計算方法を書面で確認し、分からない間は購入判断を保留します。
売却で起きるリスクを先に置く
国民生活センターは、投資用マンションにはリスクがあり、利益が出るとは限らないと注意しています(出典1・取得日 2026-11-07)。売却も同じで、購入時の説明どおりの価格や時期で売れる保証はありません。本記事では将来の売却価格、利回り、収益を予測・断定していません。
| リスク | 起きること | 購入前の確認 |
|---|---|---|
| 価格 | 買った額より安くなる。売り出しても買い手がつくまで時間がかかる。 | 販売資料の売却想定が、誰の・どの前提の数字かを書面で確認する。 |
| ローン | 売却代金がローン残高に届かない場合、差額を別に用意する必要が出る。 | 借入先の繰上返済・抵当権抹消の手続きと費用を書面で確認する【未確認】。 |
| 入居中の売却 | 入居者がいる状態で売ることになり、買い手が限られることがある。 | 賃貸借契約の内容と、売却時の引継ぎ方法を確認する。 |
| 費用・税金 | 手取りが売却価格より小さくなる。 | 下の費用・税金の計算方法を、物件ごとの数字で試算してもらう。 |
空室や修繕の面は空室リスクと募集条件、修繕積立金の確認、サブリース契約の注意点で整理しています。
売却にかかる費用
国税庁は、土地や建物を売るために直接かかった費用を譲渡費用とし、仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、借家人に支払った立退料などを例に挙げています(出典2・取得日 2026-11-07)。
仲介手数料には法律で上限があります。国土交通省は、宅地建物取引業者が受け取れる報酬の額を告示(昭和45年建設省告示第1552号)で定めています(出典5・取得日 2026-11-07)。売買の媒介では、依頼者の一方につき、代金(消費税・地方消費税を含まない額)を次の表の区分に分け、それぞれに割合を掛けた合計額が上限です。
| 代金の区分 | 割合 |
|---|---|
| 200万円以下の金額 | 5% |
| 200万円を超え400万円以下の金額 | 4% |
| 400万円を超える金額 | 3% |
これは上限で、実際の金額は不動産会社との媒介契約で決まります。告示には改正があり、本記事は上記の割合を告示本文で確認しましたが、低廉な空家等の特例など個別の取扱いは確認していません。最新の全文は出典5のページから確認してください。
売却益にかかる税金
国税庁によると、土地や建物を売ったときの譲渡所得は、他の所得と分けて(分離課税)計算します。譲渡所得の金額は、売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します(出典2・取得日 2026-11-07)。
- 取得費:買ったときの代金や購入手数料に、その後の改良費・設備費を加えた額です。建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。取得費が分からないときや、実際の取得費が譲渡価額の5%より少ないときは、譲渡価額の5%を取得費(概算取得費)にできます。
- 長期と短期:譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年を超えると長期、5年以下だと短期譲渡所得です。税の計算は別々に行います。
| 区分 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 長期(所有期間5年超) | 課税譲渡所得金額×15% | 5% |
| 短期(所有期間5年以下) | 課税譲渡所得金額×30% | 9% |
平成25年から令和29年までの各年分は、復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)も所得税と併せて申告・納付します(出典3・出典4)。マイホームを売ったときの特例などは、投資用の物件には同じように使えるとは限りません。適用の可否は、税務署または税理士に確認してください【未確認】。売却で損失が出たときの扱いは、本記事では確認していません。
仮の数字で見る税額の流れ
次の数字は計算の流れを見るための仮の設定で、実際の物件や価格を示すものではありません。他の所得・特例・損益通算は考慮していません。
| 項目 | 金額(仮) |
|---|---|
| 売却価格 | 1,500万円 |
| 取得費(減価償却費相当額を差し引いた後) | 1,300万円 |
| 譲渡費用(仲介手数料の上限・税抜。1,500万円×3%+6万円) | 51万円 |
| 課税長期譲渡所得金額 1,500−(1,300+51) | 149万円 |
| 所得税 149万円×15% | 22万3,500円 |
| 復興特別所得税 22万3,500円×2.1% | 約4,700円 |
| 住民税 149万円×5% | 7万4,500円 |
仲介手数料の上限は、告示の区分どおり計算すると 200万円×5%+200万円×4%+1,100万円×3%=51万円で、「代金×3%+6万円」と同じ結果です。この例では、買ったときの代金が1,500万円より高くても、建物の取得費が減価償却費相当額の分だけ小さくなるため、課税される場合があることが分かります。実際の金額は、購入時の契約書と売却の見積もりを用意して税理士や税務署で確認します。
購入前に聞くこと
以下は編集部の質問メモです。口頭の説明だけで判断せず、検討する部屋を特定した書面を依頼します。
- 販売資料にある売却想定の価格は、誰が・どの前提で作った数字ですか。
- 借入先の繰上返済・完済・抵当権抹消の手続きと費用は、どの書面に書かれていますか。
- 売却を依頼する場合の媒介契約の種類、仲介手数料の計算、売却までの目安期間は何ですか。
- 入居者がいる状態で売るとき、賃貸借契約はどう引き継がれますか。
- 購入価格のうち建物と土地の内訳は、売買契約書のどこに書かれていますか(取得費の計算に使います)。
勧誘への対応は中古マンション投資のリスクの「勧誘で注意すること」にまとめています。
売却の想定と費用の資料を受け取ってから検討する
以下はジェイトレックの面談広告です。広告掲載は売却価格、収益、税負担を保証するものではありません。同社の売却仲介・買取の有無と条件、個別物件の売却想定は【未確認】です。面談では上の質問メモを使って書面を依頼し、不明点が残る間は購入判断を保留してください。
参考・取得日(公式・公的情報)
- 出典1 国民生活センター:20歳代に増える投資用マンションの強引な勧誘に注意!(2019年3月28日)取得日 2026-11-07
- 出典2 国税庁:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)[令和8年4月1日現在法令等]取得日 2026-11-07
- 出典3 国税庁:No.3208 長期譲渡所得の税額の計算取得日 2026-11-07
- 出典4 国税庁:No.3211 短期譲渡所得の税額の計算取得日 2026-11-07
- 出典5 国土交通省:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)取得日 2026-11-07
よくある質問
買った金額より安く売れることはありますか?
あります。売却価格は買い手との合意で決まり、購入時の金額や利益は保証されません。本記事は将来の売却価格を予測していません。
ローン残高より安く売れたらどうなりますか?
売却代金でローンを返せない場合の差額の扱いは、金融機関との契約で決まります。【未確認】購入前に、繰上返済や抵当権抹消の手続き・費用を借入先に書面で確認します。
仲介手数料はいくらまでですか?
国土交通省の告示は、売買の媒介で依頼者の一方から受け取れる報酬の上限を、代金(消費税抜き)のうち200万円以下は5%、200万円超400万円以下は4%、400万円超は3%として定めています。実際の金額は媒介契約の前に不動産会社へ確認します。
売却すると税金はかかりますか?
売却益(譲渡所得)が出ると所得税・住民税がかかります。国税庁は、譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年を超えると長期、5年以下だと短期として税率を分けています。損失が出たときの扱いは本記事では確認していないため、税務署または税理士に確認します。
ジェイトレックは売却を仲介してくれますか?
本記事では未確認です。同社の売却仲介や買取の有無・条件は、面談で書面を受け取って確認してください。